「お父さん、島から出ていってくれないか」
神妙な面持ちの子供。確認すると「あつまれ!どうぶつの森」の話だった。島の格付けが行われる際、必要なのは立派な建物や整備された街並みで、私のテントが邪魔らしい。ここ最近まったくプレイしておらず、みすぼらしいままなのだ。
よく考えるとこの「あつ森」、最初からおかしい。
無人島に連れてこられ、家を建てるために借金を背負わされる。その返済のために島の資源を横奪し、開発に勤しむ流れ。恐ろしいのは借金を完済してもまた新たな借金を背負わされるところ。抜け出せない地獄のスパイラルだ。
そのプロセスをプレイヤーは楽しんでいるので、なんとも皮肉な話だ。
借金があっても島の人間関係で悩んでも、日々の喜びを見つけ楽しく過ごしていく。もしかしたら「あつ森」で子供たちは人生の予行練習をしているのかもしれない。
現実世界でもうまくやっていってほしい、心からそう願う。