夕食での出来事だった。
「おまえさぁ、(サラダを指さし)それとってくれない?」
すごくナチュラルに子供が言った。
急な出来事でたじろいだ。
ここはしっかり叱らなければ。
「親に向かっておまえとはなんだ。おまえは不良じゃないだろう」
即座に反撃。
「おまえだって、おまえって言ってるじゃないか!」
「親はいいんだ。おまえって言っても」
「おまえって言う奴がおまえだ」
「違う、それはバカの話だ。『バカっていうやつがバカだ』だ」
同じレベルの言い争いとなって思う。子供は親を真似ているだけなのだ。とは言え、ここで謝るのも癪だ。
その時である。
下の子も「おい!おまえ」と言い出した。
加勢しなければと思っただろう。
その後は、みんなで「おまえ!おまえ!」と呼びあった。
おまえと言いながら深く反省した。
誰であろうと「おまえ」と呼んではいけない。